※公演当時書きましたブログからの抜粋です
邦楽の若手演奏家の方々と共演いたしました。
浪曲は節と三味線があるので
演芸とも邦楽とも言えるジャンル。
不思議な芸です。
でも、演芸畑がほとんどなので、
色々な邦楽の方と共演できて、
大変刺激になり、
また分からないことも多々ありました。
わたくし一太郎は
美の三味線で
自作の浪曲
「一太郎の浅草案内」
を口演させていただきました。
第二部では
作曲家の百石元先生の書き下ろし作品
を全員でのセッション。
事前に音源を頂いて、リハーサルもありましたが、
当日のパンフレットを見て
「天河(あまのがわ)」
というタイトルと判明!!
百石先生の若手邦楽家への熱い想いが伝わってくる
素晴らしい作品にぴったりなタイトルです。
初めて音源を聞いたときに
鳥肌が立ちました。
まず、
オーディションのときにやった
浅草案内の道中附(コトバゼメ)の一部と
スクラッチを組み合わせて
HIPHOP風にアレンジして
自分のパートも作って下さって
全体的に邦楽曲というよりも
チャンプルーな楽曲でした。
なにか
浪曲の、自分の活動の未来が
十戒の海が割れるシーンみたいに
広がっていく気がして、
楽曲にとても励まされたのです。
音楽の力はすごいですね。
沸沸と血が湧き上がる感じがしました。
演奏にかんしては
わたくし一太郎は浪曲部分と拍子木を叩き
美は三味線。
ただ
全員で合わせないといけないので、慣れない楽譜があるのです。
浪曲は楽譜がなく耳で覚えるので、
楽譜を解読するのと、リズムをちゃんと取るのとで
終わるまで気が気でなかったですが、
本番はなんとか大丈夫だったと思います。
とってもいい勉強、経験になりました。
浪曲の思考だけでもなんとかなりそうな気もしますが、
やっぱり音楽の勉強はしといた方がいいなぁ
とは思いました。
天河という
作品のイメージを表現できるように
頭に思い浮かべながら
チョンチョン、と柝を叩いてました。
百石先生はじめ、
審査員、関係者の先生方が
浪曲は面白いと
関心を持って頂けたのが
本当に嬉しかったです。
浪曲は明治のはじめに生まれてから
ずっとその時代に生きてきた芸で
先人の浪曲師・曲師の方々は色々と試行錯誤してきたわけです。
素晴らしいその芸をきちんと受け継いでいって、
浪曲という芸の魅力である
良いものを何でも取り入れることに挑戦して行けば
浪曲の未来は絶対に明るい!!です。
浪曲ほど面白い芸はない
と信じて、この世界に飛び込んだのは
間違いでなかった
そうだよ
と周りの方々からプッシュしていただいてる気持ちです。
こういう新しい試みの経験をさせてもらった後で
一番に思うことは
やっぱり師匠の芸はすごい、
昔の名人たちの芸はすごい、
ということです。
浪曲の先人たちは
数知れない新しいことをたくさんやってきて、
なおかつ芸も一流。
まだまだ学ぶ事が沢山あります。