赤坂で浪曲 夕立勘五郎連続読み第二回御礼

赤坂で浪曲 夕立勘五郎連続読み
第二回を務めさせて頂きました。
お忙しい中をご来場下さいましたお客様、誠に有難うございました。

またお申し込み下さっていて本日ご都合でお越しになれなかったお客様にも心より感謝申し上げます。

前読み 東家三可子さんの「馬子唄しぐれ」で
お客様の雰囲気を大きく盛り上げて頂きましてから、
「赤坂で浪曲」席亭 西岡さんの深くて為になるお話で、舞台へのスイッチを入れて頂きました。

伊賀屋勘五郎の弟分
さんばら辰こと、山田屋辰五郎が主役の2席、
前編後編を
東家美の三味線で務めました。

前編は
湯島松金屋での元締衆の大寄合で
勘五郎が花屋金兵衛に眉間を破られるところから
話が変わって
山田屋辰五郎が船橋のおばさんのお通夜から
松金屋まで駆け付ける、
辰五郎が馬に乗って、渡し舟に乗って、駕籠に乗って駆け付ける
という話だけで
ほぼ全編が終わります。
荒唐無稽で浪曲、浪花節らしく
漫画的、ドタバタコメディのようで
大好きな作品です。

師匠浦太郎の音源
大師匠東家楽浦の音源の素晴らしい所をMIXして
再構成致しました。
特に楽浦師匠の十八番中の十八番ですので、
楽浦師匠らしさを大事にしたいと思いました。
お客様の笑い声や表情で
楽浦師匠の台本の節と啖呵のポイントポイントが手に取るように分かりました。
お会いしたことのない大師匠から直接指導して頂いているような不思議な感覚でした。

これもやはり、生の舞台でお客様とのコミュニケーションがあればこそです。
お客様とのご縁が本当に有り難いと感じました。

後編は
山田屋辰五郎が湯島松金屋へ駆け付けてから
兄貴 勘五郎の了見を聞く為に飯田町の伊賀屋宅へ行く。
辰五郎は勘五郎の代わりとして花屋金兵衛に落とし前を付けさせようと、一旦六本木の自分の店に戻ってから、芝桜田太左衛門町の花屋の宅へ乗り込みます。
この台本は師匠浦太郎はやっていないようでして、
楽浦師匠の音源から書き起こしました。
楽浦師匠は啖呵多めですが、
節多めに再構成致しました。

前編も後編も節が多く、三味線の疲労度が半端でないと思います。
美に助けて貰わなければできない演目です。

さんばらの辰は
今までの持っている演目には出てこないキャラクターで、現代にとても合った人物だと思います。
怒りっぽくてすっとんきょうですけれども
兄貴分の勘五郎への熱い想いと義理人情の厚さから騒動を起こすダメ可愛い人です。
今回二席ネタ下ろしさせて頂きました。
さんばら辰をもっと丁寧に面白く描いて行くように精進して参ります。

次回の赤坂で浪曲
夕立勘五郎連続読み第三回は
1月10日(日)です。
「花屋金兵衛の腕斬り」
「越後上り」
の2席を務めます。

お席は完売となっておりますが、
今回のように状況によってはお入り頂けるかもしれません。

次回に向けて、少しリフレッシュしてから
駆け出して参ります。