関東節

今朝は別の森を散歩しました。浪曲二席とちょっと聴きながらでしたので1時間ほどです。
時々吹く強い風に木々が揺れ動き、涼やかで優しい音色を奏でていました。
イヤホンから流れてくる浦太郎師匠の声節と秀敏師匠の三味線の音色と見事にマッチしていました。

今の二代目春日井梅鶯先生が、若い頃森の中でカラスの声に調子を合わせて声出しをしていたとお話して下さったことを思い出しました。あながち冗談ではなかったのかと思いました。
夜はテレビでバイオリニスト高嶋ちさこさんの番組を観ました。音楽は素晴らしい!楽しい!

散歩中は師匠浦太郎の節を聴いて、ここまでお客様の拍手を取って感心させてしまう節遣いは凄いと気付きました。一つの節終わりで拍手が2回起きるのです。
初代浦太郎師がラジオの対談で、
「関東節は苦労する割には拍手が少ない。関東節を全国に広めて拍手を取れたのは初代木村友衛と浪花亭綾太郎」
と言っていました。
さらに思うには師匠二代目浦太郎は関東節で拍手が取れる形を作り上げた天才です。それは伊丹秀敏師匠のお三味線の力あればこそと思います。

また関東節は高調子の三味線の音が心地良い。三味線だけ聴いていても気持ち良い。
家で美が稽古している音を聴いていて、良い音色だなぁと思います。

節と三味線と両方が生きて、登場人物を演じながら物語を描いていく浪曲という芸は何と難しいものかと思いますが、だからこそ最高に楽しい芸です!