浪曲協会広間での
火曜亭に出演させて頂きました。
浅草は四万六千日ほおずき市だったそうですね。
蒸し暑い中ご来場下さいましたお客様、
誠に有難うございました。
広間いっぱいのお客様の前で
浜乃一舟師匠とご一緒させて頂きまして
とても幸せでございました。
番組は
東家一太郎「阿漕ヶ浦」 美
浜乃一舟 「暁の唄」 (歌謡浪曲バージョン)美
曲師 東家美
でした。
一舟師匠の演目、「暁の唄」は
先日お亡くなりになられた一舟師匠のお兄様の伊丹秀夫師匠が歌謡浪曲を入れて演じていらっしゃいました。
一舟師匠は「暁の唄」は何回か舞台に掛けていらっしゃいますが、
歌謡浪曲という形ではこの火曜亭ではじめてされたそうです。
一舟師匠は芸歴七十年を越えても浪曲への情熱は日々増していらして、
歌謡浪曲という形にも挑戦されるパワフルなお姿に憧れます。
歌謡節部分を何回も何回も繰り返しお稽古され、
お客様に最高のものをお届けしたいという御心に深く学ばせて頂きました。
広間後ろの廊下で聴いていても迫力があり、
コロコロと回る一舟師匠の声節。
お客席で聴いたらさぞや最高だろうと思いました。
私は後ろで音楽の操作をさせて頂きましたが、
一舟師匠と美の三味線に加わる心地良い緊張感と一緒に芸を作る一体感は何とも言えない喜びです。
お客様は老若男女の一舟師匠ファンのお客様で大入りで、お客様の喜び、楽しさがひしひしと伝わってきて、私もニコニコになりました。
すべて一舟師匠の芸とお人柄ゆえです。
浜乃一舟師匠は浪曲師の時のお名前。
曲師の時のお名前は伊丹秀敏師匠。
お兄様の伊丹秀夫師匠も浪曲師としてご活躍されただけでなく、
初代伊丹明のお名前でお三味線も大名人でいらっしゃいました。
お二人とも
女流浪曲、浪曲界のトップスター
二代目天中軒雲月改め伊丹秀子大先生の愛弟子でいらっしゃいます。
ご幼少の頃から浪曲、浪花節の世界で育ち、
若くして芸と音楽の天賦の才能を花開かせ
節も三味線も大名人となられた
浪曲界に稀有なスーパーブラザーズでいらっしゃいます。
一舟師匠の浪曲には心があります。
綺麗で巧みな節から、
浪曲の真正
義理人情、人間愛の心がひしひしと伝わり涙が出ます。
名人伊丹秀子大先生が
一舟師匠の節の中に生きていらっしゃるようです。
一舟師匠の三味線を
弟子の美が弾かせて頂き、
最後のバラシの所では
お兄様秀夫師匠が見守って喜んていて下さるように感じました。
歌謡節とBGMが入ることで浪曲三味線の魅力も更に引き立つように感じました。
一舟師匠の芸の力、一舟師匠の美の師弟の絆、
そしてこの歌謡浪曲の形を作られた
超天才、大名人 伊丹秀夫師匠のお力と思います。
秀敏師匠には10年、20年とお元気でいて頂いて
まだまだ教えて頂きたいことが沢山ございます。
私にとっては
師匠浦太郎と並ぶ芸の恩人です。
ご恩返しができるように頑張ります。
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