「民族芸能を守る会」の皆様と素晴らしいご縁を頂きまして、各地の地域寄席で浪曲口演の機会をいつも頂いております。
その守る会が発行されている冊子「民族芸能」は、諸芸の演者の方々が自ら書かれた文章も載っている芸能史にとって大変貴重な資料です。
平成27年12月24日にお亡くなりになられた
浪曲界のうなるカリスマ
国本武春師匠が、「民族芸能」に一太郎美夫婦の事を書いていたよ、と
武春師匠がお亡くなりになってしばらくして、
ある方から伺っておりました。
ずっと読みたい読みたいと思っておりましたが
この度、冊子を送って頂きまして、拝見しました。
平成26年10月1日発行「民族芸能」より
ご許可を頂きまして写真を転載させて頂きます。
「浪曲の明日」というタイトルで武春師匠が書いていらっしゃいます。
浪曲が現代で通用するために
声、節、啖呵の課題を挙げられた後、
三味線、曲師の育成は必死に取り組んで行くべきと武春師匠は仰っています。
さすが武春師匠!やはり一番重要な課題ですよね。
その後こう書いて下さいました。
抜粋させて頂きます。
「昔は夫が浪曲師で妻が曲師という夫婦が多くいました。やはり、阿吽の呼吸で絶妙な間あいがとれるのです。最近、若手の東家一太郎が奥さんを曲師として二人三脚でやっております。これは浪曲界にとって明るい一条の光です。こうして若手が四苦八苦しながらも頑張って取り組んでいるのでどうか応援していただきたい」
お亡くなりになられる一年と少し前のご文章です。
その後、何度も木馬亭で武春師匠とお会いしておりますのに、この前「民族芸能」に書いてあげたよなどとは一言も仰いませんでした。
夫婦二人三脚でやって四苦八苦しているのをきちんと見ていて下さって、
応援していただきたい、とまで仰って下さっていたことを今の今まで知りませんでした。
よく「死後に届いた手紙」という話はございますが、
武春師匠の三回忌の後に初めてお言葉を拝見しまして、胸が熱く涙が溢れ出ました。
武春師匠には本当にお世話になり、色々と教えて頂きました。
ご心配もお掛けして来たと思います。
ご相談にも乗って下さって
「一太郎の好きなようにやればいいんだよ」とお励ましも頂きました。
私にとって昔も今も未来も特別な大事な方です。
今現在の私がこの文章を読ませて頂いたのも何かのご縁だと思います。
申し訳ない気持ちとこれからもっと頑張ります‼️という気持ちが混在しております。
武春師匠が道半ばで逝かれた
浪曲家としての魂をきっちりと受け継いで、お伝えして行けますよう必死で日々やって参ります。
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