親子の絆

正月四日
国立演芸場での新春国立名人会、
師匠東家浦太郎の後見に行って参りました。

師匠の演目は
「神田松」
貰い子松五郎を大事に育てる鳶の源太郎夫婦のお話です。

啖呵(セリフ)の一言一言に登場人物の血が通い、ちょっとした言葉の端に義理人情を感じ、涙がホロっと溢れます。
それに師匠の華麗で奥深い声と巧みな節が加わって務め上げる一席の浪曲。
浪曲浪花節とはこういうものだと教えて頂きました。
病気を克服される度に師匠の浪曲は変わって行きます。常に今現在の師匠の浪曲が私は一番好きです。

師匠と弟子の関係というのは、芸の世界のことなので世間的にはちょっと理解しづらいかも知れませんが、親と子の関係と同じです。
殊に浦太郎師匠と女将さんは実の子のように弟子を可愛がって下さり、厳しい時は厳しくご指導下さいます。

師匠との親子の絆を大切に、芸道十年のこの年を歩んで参ります。