嗚咽と慟哭

師匠浦太郎の浪曲をイヤホンで聞きながら、道を歩いていて、人目も憚らず涙が溢れ、鼻をすすりました。

話の全体を通して聞かずとも、一つの節だけで、聴く人の感情を昂ぶり、知らず知らずの内に涙が出てくる。

そして何度聴いても、聴く度に新たな発見がある、師匠浦太郎と曲師伊丹秀敏師匠が作り出す浪曲です。

嗚咽とか慟哭といった感情を浪曲と出逢って初めて知りました。
自分の心に素直に、野性や本能のままに、心を解放できるのが、素晴らしい浪曲と出会った時でした。

ある名人の師匠が、
四十年、五十年やって、やっと出来てきた芸、ここまでになるのは大変。
今でもやる度に勉強
と仰っていました。
大変重い言葉と思いました。

お客様に楽しんで頂き、感動頂ける浪曲を目指して、真摯に芸を続けて参ります。

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コメント: 2
  • #1

    亜津佐 (金曜日, 18 11月 2016 11:25)

    以前、秘書をしていたころ、私が仕えた人は、僧侶の資格のある人物で、人の遣い方もうまく、よく心を見透かされました。
    どうしてこうもわかるのか?と聞いたとき、人の心には裏も表もある、表は繕えても裏は繕えない。繕うとすればするほど表に出るっと言われたことがあります

    矩を超えず、耳に順う、という言葉がありますが、歳月を重ねればそれだけ、経験もするし
    酸いも甘いもわかりますよね
    名人と言われた方々はきっと、その域に達したり、真髄を見極めたのだと、落語、講談、浪曲を
    聴くようになって感じます

    一太郎さんも益々そしてこれからですね

  • #2

    一太郎 (土曜日, 19 11月 2016 18:05)

    亜津佐 様
    大変深いお言葉を頂きまして有難うございます。
    なんともまだ分からないことばかりですが、
    懸命に、これから、芸に向き合って参ります。